ジャン・シューアイ選手
2022.09.23
シングルス準々決勝
センターコート | 第1試合 | 1 | 2 | 3 | |||
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5 | 2 | |||||
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7 | 6 |
今年3度目のセミファイナル進出になりましたが、このところ調子が良いのはどんなところに要因があると思いますか?
本当に今年はとても良い形で試合がこなせています。特にグラスコートのシーズンの後は良い感じかなと思っています。コーチも私が試合に勝つと「あなたの人生の中で最高の試合だったね」と言ってくれましたが、先日C.ガルシア選手に勝った後、また同じように、「今日の試合はあなたの中で最高のマッチだったよ」と言っていました。そのくらい、私は今調子が良いのかなと思います。もちろん、全力で色々なことに取り組んできているところもありますし、またハードコートの試合では、自分の調子が上がってきていることも感じています。本来であればアジアンスウィングで、中国、そして日本というところは、私も非常にいつも気分良く試合が出来る場所なのですが、この3年は十分に大会がなく、もちろん中国でも同じように大会が行われていないという状況だったので、非常に寂しさを感じていましたし、またここに来たいと思っていました。また、アメリカなどでのハードコートは、非常にバウンドが高くなる傾向が強いのですが、ここでは同じハードコートでもバウンドが低いので、そういったところは、アジアの選手にとっておそらく有利な点になっていくのではないかと感じています。
今日はどのような試合を想定していましたか?P.マルティッチ選手に対してどういった試合を想定して、そしてその試合の中で、自分で準備したものをうまく出せていたのでしょうか?
今日は、当然P.マルティッチ選手も非常に美しいテニスをする人ですし、簡単な試合ではないと想定していました。彼女のトップスピンであったり、バックハンドも強烈ですし、クロスも打ってきたり、ドロップショットも上手かったりと、とにかく様々なものを繰り出してくるので、すべてに対してこちらは準備をしておかなければいけない相手でした。そのため、前回の私の試合のように、強打の打ち合いという展開にはならないというのは分かっていましたし、実際に深いところに打ち合って、そこにも非常に強いショットが来ることに備えておかなければいけなかった内容だったので、コートをもう少し短く使うようなところが必要になってくると思っていました。あとは相手のビックサーブ、とにかく強く、大きなサーブ、良いサーブが来ると分かっていましたから、それにも備えていました。そのため、何かテクニック的に準備ができていなければ、というよりも、自分の気持ちの面、精神面でしっかりと課題を持って、それに望んでいかなければいけないというところもあったと思います。試合の中でも、私が第1セットで5-3とリードした後でも、彼女はどんどんまた追い上げてくるという展開になりました。第2セットでも大きなリードを取ったかなと思ったところで、やはり私自身、自分のサービスゲームをしっかりと取りきれなかったところもありました。それは、やはり彼女が本当に素晴らしい選手、優れた選手であることだと思います。そういったところが、これまでの試合とは少し違った展開だったかなと思っています。
この2年程、ツアーをずっと回っていて、なかなか母国に戻る事もできず、ヨーロッパあるいはアメリカにいなければいけないという厳しい状況だったと思いますが、どのようにそれを克服されてきましたか?
実際に、今回はなかなか母国である中国に戻ることができませんでしたが、本当に中国人選手はみんな国に帰りたいという気持ちが絶対にあったと思います。通常であれば、クレイシーズン、グラスシーズン、あるいは大きな大会に出た後には、やはり母国に戻るということを、皆がしていたわけですが、実際に今はできない状況が続いています。やはり、今飛行機も非常にチケットが高くて、もしこの状況で2度母国に戻ってしまうと、お金が残っていない状況になってしまうような厳しさがあります。そして、今年は、大会がキャンセルした後に初めて3月に中国に戻ったのですが、その時も4週間同じ部屋にずっといて隔離をしなければいけないという状況を経なければいけませんでした。これは選手にとっては大変なもので、それだけ時間が空くと、私がまたそのツアーに戻っていく、あるいは大会に出るという状態に戻るまでに、とても長い時間を要さなければいけません。去年の10月の話ですが、やはり(母国に)戻った時には、3週間の隔離が強いられました。2週間がホテル、1週間が自宅でというように、その3週間という長い時間を無駄にしなければいけないような気持ちにもなっていました。やはりこのまま自分がキャリアを続けていくには、ツアーに出てずっと続けるしかないと思います。自分も33歳という年齢になっていますので、これ、やはりこれから1回、2回本国に戻ってしまうと、そこで大変な時間を無駄にしてしまうという気にもなりました。
去年は特に、私は怪我をして前半は思うような試合に出場することができない状況になっていましたので、そうすれば本当にどの瞬間も大切にしなければいけないなという気持ちが強くなりましたし、やはり時間が空けば当然ランキングが下がります。それを戻していくのにも、十分な試合数をこなさなければいけないですが、それができないというジレンマが訪れてきます。中国に帰るためには、とても遠い距離を移動しなければいけないです。時には、20時間あるいは30時間かけて戻らなければいけませんし、また、チーム全員のフライトチケットを用意しなければいけないということもあります。せっかくその努力をして戻っても、わずか数日間で、極端に言えば、次の日にはまた長い距離を移動することにもなってきます。それが、またどんどん自分たちにとっても大変な変化が続いていくということになりますので、移動をするということだけをとっても、大変なことをみんな経験いるのではないかと思います。その中で、今自分がラッキーだと思うのは、やはり体調が今いい形になってきましたし、気持ちも非常に強く持っていられています。周囲からも「これだったら毎週試合に出られそうだね」と言われますし、自分でも「それだったらできるのかもな」という気持ちにもなっています。とにかく私は、キャリアも今の段階では「ツアーに出てこのテニスというスポーツにすべてを捧げよう」という気持ちでいっぱいです。5歳からずっと続けてきたテニスなので、これを何とかこれからも続けていきたいと思っています。
去年は特に、私は怪我をして前半は思うような試合に出場することができない状況になっていましたので、そうすれば本当にどの瞬間も大切にしなければいけないなという気持ちが強くなりましたし、やはり時間が空けば当然ランキングが下がります。それを戻していくのにも、十分な試合数をこなさなければいけないですが、それができないというジレンマが訪れてきます。中国に帰るためには、とても遠い距離を移動しなければいけないです。時には、20時間あるいは30時間かけて戻らなければいけませんし、また、チーム全員のフライトチケットを用意しなければいけないということもあります。せっかくその努力をして戻っても、わずか数日間で、極端に言えば、次の日にはまた長い距離を移動することにもなってきます。それが、またどんどん自分たちにとっても大変な変化が続いていくということになりますので、移動をするということだけをとっても、大変なことをみんな経験いるのではないかと思います。その中で、今自分がラッキーだと思うのは、やはり体調が今いい形になってきましたし、気持ちも非常に強く持っていられています。周囲からも「これだったら毎週試合に出られそうだね」と言われますし、自分でも「それだったらできるのかもな」という気持ちにもなっています。とにかく私は、キャリアも今の段階では「ツアーに出てこのテニスというスポーツにすべてを捧げよう」という気持ちでいっぱいです。5歳からずっと続けてきたテニスなので、これを何とかこれからも続けていきたいと思っています。
自分でテニスをどんどん成長させていくと仰っており、実際そうなっていると思いますが、どんなところが変わってきている、どんなところを変えたのか教えてください。
特に何かを変えたところはないですが、自分は常に全力で一生懸命取り組むことを続けていますし、それは、日本のファンの皆さんにも分かっていただいていると思います。朝7時半にはコートに立ってトレーニングすることを、常に欠かさず続けていますし、自分はまだまだ向上できる部分もあると信じていますので、そういったところをどんどん伸ばしていかなければいけません。決して自分は完璧になれる感触を持っていませんが、できるだけ完璧に向かい続けるだけだと考えていますし、まだまだこれから先、成長したいという気持ちも強く持っています。まだハングリーさもあります。そしてまた、周囲では若い選手たちがどんどん育ってきて、素晴らしいプレーをしています。そういった若い選手達からも、まだ学ぶところがある、学べると思っています。当然、対戦相手からもたくさん習得していきたいと思います。試合に負けたとしても、そこに何か必ず自分で得られるもの、学べるものはあるはずなので、試合結果に関わらず、自分はまず全力でプレーします。そして、できる限りの力を出し尽くします。そして最後には何かを学んでいくことを繰り返し続けていきたいと思います。
とてもコート上で落ち着いており、感情を見せませんが、どのようにコントロールしていますか?
通常、私はコートを離れると非常に我慢強く落ち着いている人間なので、外でやっていることをコートの中にも持ち込んでいるつもりです。もちろん時々、自分自身に腹が立つこともあります。今日も実際に試合の中でマッチポイントをしっかりと取っていながら、決めきれなかったことがありましたので、自分に対して「何をやっているんだ」と怒りを少し覚えたところもありましたが、そういったときはやはり「ここで焦らずに、勝ちたいのであればしっかりと落ち着いていこう」と自分自身に言い聞かせ、次のポイントに集中していくことを試みました。これがおそらく、全てのトッププレーヤー、そして偉大な選手たちは必ずやっていることだと思いますので、私自身がトップに立ちたければ、あるいは良い選手になりたければ、そういうところは必ず成長しなければいけない。精神面、自分の内面を、もっと向上させなければいけないといつも考えています。
以前も仰っていたと思いますが、中国では大会がないので、アジアで今回プレーすることは久しぶりだったと思います。他の世界の都市と比べてどのような違いがありますか?
完全に違っています。なによりもアジアに来ると、友人、ファンの人たちがすごく自分に近い人たちと感じられます。会場を見ると、日本の方々がたくさんいらっしゃいますが、その先に、今までずっと遠くだったけれども、母国の人たちがすぐ近くにいるような気持ちにもなりました。ですから、久しぶりに自分の故郷への近さを感じられました。ここは大きな時差がありませんから、私の家族も母国で深夜や早朝に起きて私の試合を見ることはしなくて済むわけです。ほぼ時差のないようなものですから、しっかりと私の姿を見てくれますので、今、自分が母国である中国の近くに来たことをしみじみ感じています。私が小さかった頃、日本、そして韓国、中国の選手たちは、みんなとても近しい存在で、一つの大きな家族のような形になったこともあります。そして日本に来ると、日本の食事、あるいは日本の人々が、母国の人たちや食べ物にも似ていますし、お互いを見れば、髪の毛も肌の色も似ているので、また「私たち一緒だな」としみじみ思います。土居美咲選手も、「母国のパワーをここに来ると感じるよね」と仰っておりましたけれど、まさに私は、日本の皆さん、ファンの皆さんからエネルギーをたくさんもらっていますし、この会場には日本にいらっしゃる中国人の方もたくさんいらっしゃいます。見に来てくださることで私に力を与えてくれます。
中国人選手、若い選手からご自身いろいろ学んでと仰っておりましたが、特にジャン・チンウェン選手など非常に台頭してきていると思います。そういった若い選手に対してどのような気持ちをお持ちですか?
私が彼女から学ぶことの方が絶対多いです。彼女は、もしかしたら自分から学んでくれているかもしれませんが、やはり、私も若い選手が台頭してきているというのは仰る通りと思います。彼女は本当に信じられないほどの強さを見せて、素晴らしいプレーを繰り広げています。10年前、15年前と比べると、テニスは大きく違いを見せています。若い選手たちが今、力強く戦っているので、まるで男子選手のようなパワーを感じる時もあります。ですので、私自身は彼女たちに負けないように、自分ももっと向上しなければいけませんし、更なるパワーをつけなければいけないと思っています。でも、まだまだ足りていませんので、彼女達からも学びたいですから、ぜひチンウェン選手には今後も勝ち続けてもらって、活躍を続けてもらえればと思います。