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ポストマッチインタビュー

POST
MATCH
INTERVIEW

2023.09.27

イガ・シフィオンテク選手

シングルス本戦 2回戦
センターコート第四試合17:00開始 1 2 3
★イガ・シフィオンテク(ポーランド)
本玉 真唯(日本)
イガ・シフィオンテク選手

まず、おめでとうございます。そして、今コート上でもおっしゃっていた通り、決して簡単な試合ではなかったと思いますけれども、 えー、どのようにご自身では振り返られますか。相手の本玉選手、タフな相手だったでしょうか。

確かに、あの、彼女は本当にタフな選手で、最後まで本当に全力を出し切って、私になかなか、フリーなポイントを与えてくれないという場面が多かったと思います。私自身は、やはり試合の初めが、どうしても、簡単にうまくいかなかったところがあり、十分にリラックスしながらのオープニングという風にはいかなかったんですけれども、様々なことがどんどん、どんどん過ぎていくという感じで感じていたので、そこで、十分自分の調子を取り戻すことはできませんでしたが、徐々に自分らしさを出していけたと思いますし、最終的には自分のテニスを皆さんにご覧いただけたと思いますので、それは良かったと思います。 第2セットに入ったところで、だいぶ全てが良い方向に回り始めて、自分自身、うまくアジャストできているなという風には思いました。最後の方ではどういう風に最後をクローズアウトすればいいかというのは自分でも分かっていましたので 、それはしっかりできたと思います。ただ、さっきも言った通り、相手の選手、本玉選手が非常に最後まで食らいついてくるテニス、素晴らしいテニスを展開していたので、最後は私の方が勝ててよかったと思います。

おっしゃった通り、理想的な始まり方の試合ではなかったということでしたけれども、それは 理由としては、考えられるのは、サービスだったでしょうか。あるいはボール、あるいはこの湿度の高さといったところに原因があったんでしょうか、というご質問でした。

全て色々な要素が含まれているコンディションのせいにしたいとは思っていません。今、自分自身が完璧な時期ではないのかなという気もしています。 シーズン、長いシーズンを過ごしていると、どうしてもアップダウンが出てきます。波の好不調というのがありますので、そうすると、やはり、こういったところが出てくるのも仕方ないかなと思います。なんとか 普段の通りの私とテニスをするためには、どうしても2倍の努力が必要になるという時もありますので、であれば、そういったとことは、もうどうしても起きてしまうんだなということは、自分でももう受け入れていくしかないと思っています。 自分の、うまくいけるゲームに運んでいくためにも、もっともっと自分は体も心もリラックスしなければいけないというのは 常にあるんですけれども、それができない時は、やはりコーチも自分に対してストレートにそういったところがたまにはあるんだよということは教えてくれますので、その言葉を聞き入れていこうと思います。やはり自分も波が好不調ある時を振り返れば、不調の時には8試合連続でどうしても思い通りの試合ができないということもありましたし。今回、 最後の試合がUSオープンだったということもあり、その後は、自宅でプラクティス練習をしてきただけだったというところもあったかもしれません。なので、そういったところを全て踏まえて、これからまた先、自信を取り戻していくということを努力していきたいと思いますし。そういったことがあると、そういう時期があるということは、もう自分でもうまく受け入れながら、この後、調子をまた上げていければと思っています。

SNSについてですけれども、あなたもSNSを使われていますけれども、時にはプレイヤーであるために非常に 厳しいメッセージなどを受けることもあるかと思いますけれども、あるいは、賭けのために何か使われていることもあるかと思いますが、そういったこと、何か対処すべき、 あるいは対処されるべきかというふうにお考えでしょうか。

私は確かに、今、この社会全体がいい方向に進んでいないんではないかなという風に思わざるを得ない時もあります。どうして、もう、自由に何でもかんでも読めるような、状態、状況ではないなと、 安全な状況ではないなという風に感じなければいけないということは多々感じることはあり、やはり、公的な立場になってしまうともう、不当な扱いを受けることというのはたくさんあります。それが、例えば、バックステージの中で、他の人たちが何かを言っているなということを感じることもあったりすると、私が1年間、1シーズン通して、ほんとに完璧な状態でプレイできるのかなというのを不安に思ってしまうこともあったりもします。 できれば自分は、そういったことを心配せずに全部、もうほったらかしていけばいいやというふうに思うこともあるんですけれども、なかなかそうできない時もあります。普段はなかなかそういうことを考えないでいられることは多いんですけれども、 どうしても自分の中で、完璧にならなきゃいけないとか、そういったことを 考えてしまう時もありますので、そういった時の自分に対しては、やはりシリアスな言葉というのは非常に厳しく、刺さってくることがあります。何でそんなことを言われなきゃいけないのかな。という風に思う時は何かこういうことあっていいのか、奇妙な気がするなということもありました。 例えば、先日のシンシナティでの大会でも、やはり、非常に多くのヘイトというか、そういった気に入らない部分 を私に投げかけてくる人たちがいました。例えば、セットを落とした時には、ものすごい数のヘイトが送られてきましたし、それがセカンド、サードセットになっていくと、第2セット、第3セットと進んでいくと、もっともっとメンタルが強くなければいけないねというようなコメントも送られてきたこともありました。 そういったことを考えると、やはりもう世の中どんどん変わってきてしまっているんだなと思いますので、必ずしも良いことばかりではないと。
ただ、そういったことをすべて、すべて深刻に受け止めてしまっていいのかどうかという風にも考えますので、うまくそれはバランスを取っていきたいと思います。当然、私に対して非常に好意を持って接してくれる、 メッセージを送ってくれるファンの方々、私の真のファンの方々もいらっしゃいますから、そういった人たちのいうことももちろん受け入れたいと思いますから、それはなんとか、自分のサポートとして使っていきたいと思いますけれども、今、これから先はやはり、どういったところが大事になるかというのをしっかりと見極める必要があるかなと思っています。

あなたの中で、今優先されるものというのはどんなものでしょう。例えば、世界ナンバーワンにもまた復帰することなのか、あるいは、グランドスラムでタイトルを取っていくといったところなのか

グランドスラムがやっぱりやってくるという時期になれば、当然、すべてをかけて、その大会に向けて準備を進めていくというのは当然あると思いますし、ただ、当然その大会で優勝するというのも自分の目標になると思います。今のところ、自分はまだ、グラスのコートでは成長過程にあるかと思いますので、それをまた磨きをかけていくというところは必要かなと思ってます。 ただ、全体的に考えると、ここ2大会ほどで、自分の中の最優先事項というのは、新しいテクニックなどをしっかりと自分の中に取り入れていくところだったと思います。そしてさらに、選手として成長していくところだったかなという風に感じています。 いろんなことを試す中で、それを実際に試合の中で完全に自分のものにできているかどうかというのを確かめたいですし、 それをシーズン通しながら、シーズンが進む中で、自分が練習を十分にして、それをものにしていくというのは、時間的にも難しいところがありますので、これから先の大会でもしっかりと出るときにはそれに対して十分な準備を経て、そして完全に自分のものとして取り入れられればと思っています。

日本のファンについての印象というのはどんなものでしょうか。 多くの人は、日本のファンは大体シャイだよという風に言ったりする こともあると思いますが、実際にあなたが先ほども言っていましたけども、多くのファンがサインをするときにギフトをくれるなどというのもありましたけども、全体としてどんな印象ですか

オリンピックで日本に来る前に、既に日本のファンは、とても礼儀正しくて、そして他の人たちの仕草などにも、しっかりと目を配っているような人たち、 そして、他の人たちがどういうふうにすれば良いかということをしっかりと考えてくれる人たちだよということを聞いていたんですけれども、今回、自分自身感じているのは、本当にそういうところがあるなと思っています。非常に私に対してサポートをしてくださいます。これは、実は、オリンピック前に高崎で練習をしていたんですけれども、そのトレーニング中でも、 やはり多くの方々が、私のプレーなどを見たいと思って、練習を見たいと思って来てくださることがなかなかできず、コロナ禍でしたので、 多分、地元の方だけだったと思うんですが、それでも、練習を見てですね、そして、とてもワクワクしながら見てくださっていたというのには、私は実はとても感動していました。私が練習をしてるだけでも、そういったものを見るだけで皆さん喜んでくださるんだなということは、本当に自分にとっては嬉しかったことですし、 今回もそうして、皆さん、多くの方々が私をサポートしてくれることを楽しく受け止めています。
サインをするときには、ほんとにたくさんの色々な小さなギフトをくださるというのも、これは他の国では全くないことですから、こんな風にしてくれるのはほんとに嬉しいなという風に、今、それをしみじみと感じているところです。